今回のタイ宝石の研修旅行、若奥はなぜ行かなかったのか?と言うと…
「ホテルはオリエンタル・バンコクじゃなきゃイヤだ」と言ったら「そんなワガママな人は留守番してなさい」と言う事で、留守番になりました。
若奥は2年前の夏に、タイに「プチ家出」しました。「ニューヨーク」に引き続き、2度目の「プチ家出」ででした。以前に社員旅行でタイに行った時に、何故だかこの国に忘れ物をしてきたような気がして、忘れた物を探しに…の「家出」でした。その頃、辻仁成(中山美穂のダンナ様)の「サヨナライツカ」という小説を読む機会がありました。この小説は「オリエンタル・バンコク」が舞台で、そこのコンシェルジェの女性が主人公です。この本を読んで以来、なぜか心引かれるものがあり、「いつか絶対に、このホテルに泊まりたい」と思ってました。
タイ旅行の計画を立てたすぐ後に、若奥のお父さんが「膵臓癌・余命3ヶ月」と宣告されました。若奥のプチ家出は、仕事が一番ヒマな6月の終り頃という「期間限定」なので、「まあ、今年は無理かな」とあきらめてましたが…。父が亡くなる一ヶ月前に、毎晩病室に泊り、朝5時に家に帰り…の生活をしていた頃、父とは一生分くらい話をしました。父も以前バンコクに行き、オリエンタルホテルに泊ったこと、チャオプラヤー川をクルージングしたこと、アユタヤに沈む夕日が最高に綺麗だったこと。「実はね、私、タイに行きたいんだ…」そう言う若奥に、父は「行きたい時に行っておかないと後悔するぞ。人生は一生に1度だぞ」と言いました。
父は結局、2ヶ月と20日で亡くなりました。49日も過ぎない頃に、母に「タイに行きたい」と言ったら、絶対にダメだと言うと思った母が「どうせお父さんにも同じ事言ったんでしょ。行ってこれば?」と言ってくれました。
タイには着物で行きました。これも父親との約束です。父の骨をビニール袋に入れて内緒で持って行き、チャオプラヤー川を上りアユタヤにさしかかる頃に、川に蒔きました。「お父さん、ありがとう」と大声で叫びながら。父は、人にすごく厳しい人でしたが、私にだけはバカみたいに優しく、私だけをすごく愛してくれていました。父が頑張って仕事をし、会社を経営してくれたおかげで、私は何不自由ない生活をさせてもらいました。
「サヨナライツカ」の小説の冒頭は「人は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと、愛したことを思い出すヒトにわかれる。私はきっと愛したことを思い出す。」で始まります。私はどっちだろうか…と考えます。きっとその答えは「死ぬ瞬間」にならないとわからないと思います。もし「愛されたことをを思い出す」のであれば…きっと父の事を思い出すと思います。
6月2日、あと一ヶ月で父の2回目の命日です。
PS…
結局「タイに忘れた物」は…「癒しの時」と言うことがわかりました。でもまた、タイにあえて…忘れてきました。また探しに行くために…。
「ホテルはオリエンタル・バンコクじゃなきゃイヤだ」と言ったら「そんなワガママな人は留守番してなさい」と言う事で、留守番になりました。
若奥は2年前の夏に、タイに「プチ家出」しました。「ニューヨーク」に引き続き、2度目の「プチ家出」ででした。以前に社員旅行でタイに行った時に、何故だかこの国に忘れ物をしてきたような気がして、忘れた物を探しに…の「家出」でした。その頃、辻仁成(中山美穂のダンナ様)の「サヨナライツカ」という小説を読む機会がありました。この小説は「オリエンタル・バンコク」が舞台で、そこのコンシェルジェの女性が主人公です。この本を読んで以来、なぜか心引かれるものがあり、「いつか絶対に、このホテルに泊まりたい」と思ってました。
タイ旅行の計画を立てたすぐ後に、若奥のお父さんが「膵臓癌・余命3ヶ月」と宣告されました。若奥のプチ家出は、仕事が一番ヒマな6月の終り頃という「期間限定」なので、「まあ、今年は無理かな」とあきらめてましたが…。父が亡くなる一ヶ月前に、毎晩病室に泊り、朝5時に家に帰り…の生活をしていた頃、父とは一生分くらい話をしました。父も以前バンコクに行き、オリエンタルホテルに泊ったこと、チャオプラヤー川をクルージングしたこと、アユタヤに沈む夕日が最高に綺麗だったこと。「実はね、私、タイに行きたいんだ…」そう言う若奥に、父は「行きたい時に行っておかないと後悔するぞ。人生は一生に1度だぞ」と言いました。
父は結局、2ヶ月と20日で亡くなりました。49日も過ぎない頃に、母に「タイに行きたい」と言ったら、絶対にダメだと言うと思った母が「どうせお父さんにも同じ事言ったんでしょ。行ってこれば?」と言ってくれました。
タイには着物で行きました。これも父親との約束です。父の骨をビニール袋に入れて内緒で持って行き、チャオプラヤー川を上りアユタヤにさしかかる頃に、川に蒔きました。「お父さん、ありがとう」と大声で叫びながら。父は、人にすごく厳しい人でしたが、私にだけはバカみたいに優しく、私だけをすごく愛してくれていました。父が頑張って仕事をし、会社を経営してくれたおかげで、私は何不自由ない生活をさせてもらいました。
「サヨナライツカ」の小説の冒頭は「人は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと、愛したことを思い出すヒトにわかれる。私はきっと愛したことを思い出す。」で始まります。私はどっちだろうか…と考えます。きっとその答えは「死ぬ瞬間」にならないとわからないと思います。もし「愛されたことをを思い出す」のであれば…きっと父の事を思い出すと思います。
6月2日、あと一ヶ月で父の2回目の命日です。
PS…
結局「タイに忘れた物」は…「癒しの時」と言うことがわかりました。でもまた、タイにあえて…忘れてきました。また探しに行くために…。
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